5月から日本は新元号へ変わります・・・ 慣れ親しんだ「平成」もあと少しで終わります・・・ 今、生きている日本人の中に、新元号生まれの日本人は誰もいません。 (但し、お腹の中の赤ん坊を除いては) 単純に不思議ですね。
前回の元号変更は、昭和天皇が崩御されてまもなく、当時の小渕官房長官(後に首相にもなりました)が、机の上に伏せていた額縁に入った新元号を起こして、その年号を読み上げたことをよく憶えています。
その時、その新年号を聞いて、不謹慎ながら力の入らない年号だなと感じました・・・ 「ヘ」という子音は、大きな声でも出にくいし、力強い印象もないし、もの頼りないなあというのが当時の私や周囲の印象でした・・・
あれから30年・・・ 今では、その元号が人々に愛され、親しまれ、別れが寂しいと思う元号になっています。 4月1日の昼前には新しい元号が決まっていますが、何だかんだ言っても最初は奇異な感じがするだろうなと思います。 それでも、人々は少しずつ慣れていきます。 徐々に、耳も脳も適応し違和感を感じなくなります。
元号と違い不謹慎な話ですが、若い頃、埼玉県の戸田に住んでいたことがありますが、当時、新大宮バイバスという幹線道路があり、その道路の信号機の付いている交差点のすぐ横に住んだことがあります。 大型トラックやダンプカーなどが信号で止まったり、走り出したりする度に地響きがして住んでいたアパートが揺れたり、夜は車のライトがカーテンに写って映画館の中のスクリーンのように移動するのでした。 そんな最悪な住まいでしたが、それでも人間は徐々に慣れて来て、普通に生活が出来るようになったものです。 今、思い出すと、マジで凄かった!!・・・
テレビやマスコミが新元号について、いろいろと話題を提供していますが、私にとっては元号変更に伴う社会的影響が気がかりです・・・ IT業界にいる私は、30年前の元号切り替えは大変な状況になりました・・・ コンピュータで使われている「昭和」や帳票等で使われている「昭和」の文字変更の対応が大変だったからです・・・ プログラムだけでなく、データベースやファイルのレイアウト変更も必要になりましたし、元号が変わっても元号変換ファイルのような仕組みさせ開発していました・・・ 夜遅くまで、適用業務プログラムを見直し、改定したり、テストしたり、実に特需といえば特需でしたが、短い期間しかなく大変でした・・・
この時の対応が、1999年から2000年に変わる際の改定に役立ち、俗に言う「2000年対応」は最小限の変更や改定で済みました。 若いIT技術者にはこのような経験をした人が殆どいないのではないかと思います。 当時はそこまではないだろうとの「思い込み」、「まだ先の話」、「何とかなるんじゃないの」、「その時に考えるしかない」、 こんな感じでしたが、それでも現実になると、皆が皆、大変やなあと思いつつ、対応作業に優先的に動員され、新規開発は止まっていたと思います。
また、2000年対応は全世界が迎える初めての問題でしたから、世界中が戦々恐々として、どこかで何かのシステムに不都合でもあれば、飛んでいる飛行機すら落ちるかも知れないとか、信号機が一瞬にして止まったりするのではないかとか、本当にコンピュータ社会での世界的リスクを感じたりしました。
それほど、コンピュータが発明されて以来の世界的リスクだったのです。 今はそれを逆手にとった悪意あるリスクを行使している国があるるように思います。 兵器も情報武装化され、正に2000年対応とは異次元のリスクが生まれています。 持つものの力が優先され、持たざるものの立場が軽視されつつあります。 このことに大きな危惧を感じます。
元号とコンピュータ、一見、異なる話題ですが、元号でなくても2000年問題はありましたし、日本にはこれからも元号問題は残り続けます。 無駄になる印刷物もありますし、ゴム印などは作り直しにもなります。 また、高齢化社会の日本には、新元号、平成、昭和、そして大正までは生きている方々がいます。 和暦は日本らしくて良いのですが、元号をまたいで年齢や年数を数える早見表が必要かと考えると、私自身も面倒だなと思います。 特に外国人の方には大変だろうなあと思います。西暦なら簡単なのに・・
しかし、元号にはちょっとした同世代との共通的な連帯感もあります。 貴方も私も昭和生まれという連帯感です。 そこが日本らしさといえばそうなんですが、殊更、便利かと問われると不便の方が多いと思います。 世界の国で、日本のように元号を更新していく国は皆無だそうです。 中国も韓国も台湾でも皇帝や王様がいないのでもう使われてはいません。 時々、西暦では何故、駄目なのかと思うことがあります。 行政機関へ提出する文書には特にそれが多い。
4月1日昼前、日本中が注目する中、新元号が発表されます。 施行は5月1日からです。 日本国民が注目する中、菅官房長官から発表されます。 期待と不安の混ざった時間軸の節目です・・・ その日は日本国中がその話題で持ちきりになることでしょう。
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