先月はとても悲しいテーマでしたが、今月は気持ちを少し取り戻せるようなテーマになりました。
手紙というタイトルです。
私は休日によくパソコンで調べものや会社の仕事を半徹でしたりすることがあるのですが、その際に頭と目は画面を、耳はヘッドホンで音楽を聴きながら、朝までそのままの「ながら族」が多いのですが、結構、こういった一人だけの時間と空間が好きで落ち着くのです。
その聴いている音楽も楽しい曲、悲しい曲、元気になる曲、頭がリラックスする曲、カントリー、クラシック、懐かしいジェットストリームなどと飽きが来ないようにフォルダに分類して、その時の気分で聴き分けています。
しかし、同じ曲ばかりでは次第に飽きて来るので、そんな時は新しい曲を探してお気に入りに追加しています。
そんな中、流れて来る曲でジーンと胸に迫って来て、いい曲だなあと感じるものがあります。
今回はそんな曲の中で、最近、ジーンと来た一曲を紹介します。
それはアンジェラ・マキさんの歌う「手紙」(拝啓 十五の君へ)という曲です。
なんだあー、有名な曲かと思われる方も大勢いらっしゃると思いますが、私には初めてのようなものであり、どこかで昔の自分とダブるような部分があります。
この曲は、10年後の自分自身へ出した手紙をモチーフにした曲です。
今は苦しくて、苦しくて、悩んでいるだろうけど、10年後の自分から観れば、それはそれでいいんだよ、今だってやっぱり悩み苦しみながら生きている部分があるだからといったような歌です。
この歌はシンプルなリズムでありながら、人の心の中へグイグイと迫る感性があります。
決して15歳ではなくても、30歳でも、50歳でも、いつでも通じる歌だと思います。私自身、この歌を聴いて三つの想いが起こりました。
一つは15歳のとき自分はどうだったか、同じような思いがあったなあと感じる部分、次が今の自分から遡って10年前はどうだったかという部分、そして最後がこれから10年後の自分はどうなんだろうかという部分です。
私は自分が十五歳の頃は父への激しい嫌悪感があり、殆ど口も利かない、姿を見るとすぐに別室へ引っ込んでしまい、たとえ食事中ですら食事もそれで切り上げるような子供でした。
兎に角、父のことが嫌いで嫌いで大嫌いでした・・・
しかし、多くは反抗期として片付けられるのでしょうが、私は一生、この気持ちが消えそうもありません。
憎いといった感情に近いと思います・・・
こんな子供でしたので、勉学など殆どしていなかったように思います。
高校へ進学した後も、このことは続き、当時は競争、競争の学歴社会でしたが、私は殆ど落ちこぼれみたいな高校生生活でした。
先生に半強制的に指示された補習すら拒否していました。
勉強なんかどうでもいいと思っていた時期でした。
授業をサボってパチンコへ行ったり、オートバイに友達と乗ったりしたこともありました。
ですから、この歌を聴いた時には自分の中学・高校時代のことを灰色の雲が垂れ込めた気持ちのように重く感じて聴いています。
自分はどんな大人になるんだろうか、そもそもなれるんだろうか、早く田舎から出て行きたい、父に会わない土地へ出て行きたいと、そんなことばかり考えていました・・・
父が亡くなった今でも父のことは好きではありませんし、感情と理性のうち、感情が勝ってしまいます。
でも、私も人並みの生き方が出来ていたら、道は違っていただろうなと思うことがあります。
でも、出来なかったのだから仕方がないし、今の自分もなかっただろうと思います。
それでも、この曲を聞くと、素直な自分に出会える時があります・・・
涙が出そうになってしまいます。
十五かあ・・・・
悩みかあ・・・・
素直にはなれなかったなあ・・・
自分なんかどうでもいいと思っていた・・・
でも、本当は苦しんでいた・・・
誰にも言えない秘密の気持ちです。
息が出来ないほど苦しかったけど、今はこうして生きている。
これが生きるってことなんだと思います。
このまま、歩き続けるしかない。
でもこの曲を聴いていて前向きに思ったのは、今の自分の十年後へ向けて手紙を書き残しておこうと思った時です。
人生の時間も結構使いました・・・
あとどれ位残っているのでしょうか?・・・
こんな気持ちの中で、未来の自分に書いておきたいメッセージを残そうと思いました。
もう二周りは残っていないと思います。
それだったら本当に最後の10年後の自分への手紙です、
拝啓 10年後の私へ
書き出しだけはこうです。
「私にもこの手紙も読めるかどうか分からないけれど、二周りは無理だと思います。
もし10年後に自分お手紙が読めたなら、自分を褒めてやりたい。
よくぞ、ここまで頑張って来たなと・・・
周りに何と言われようが自分の意思を貫き、自分を叱咤激励し、人の倍もかかってたどり着いた自分のかけがえのない人生・・・
こんな感じで書き綴ってみたい。
敬具
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